7月31日の米国株式市場は主要3指数が揃って上昇した。S&P500は前日比+0.70%の7,489.72、NASDAQ総合は同+1.00%の25,373.85、ダウ工業株30種は同+0.53%の52,485.03で引けた。ハイテク比率の高いNASDAQの上昇率が大きく、大型テクノロジー株への買いが指数を押し上げたとみられる。もっとも、当日の明確なカタリストは伝わっておらず、決算発表を控えた個別銘柄に対する先回り的なポジション構築や、前月末のリバランスに伴うフローが影響した可能性がある。
セクター別では、7月を通じて高配当株がS&P500をアウトパフォームしたと報じられており、ディフェンシブ志向の強さが窺われる。一方、8月3日の報道によれば、パランティアやスナップなどソフトウェア企業の好決算が時間外取引で大きく買われており、こうした期待感が月末の株高を後押しした面も否定できない。また、アマゾンは決算発表後の上昇が続き、8月3日には時価総額が3兆ドルを突破した。「Amazon tops $3 trillion market cap as stock continues post-earnings surge」との見出しが示すとおり、ハイテク大手の底堅さが市場心理を支えている。
米国債利回りは、7月31日時点の水準は未確認ながら、直近(8月3日)では2年債4.25%、10年債4.70%、30年債5.23%と、順勾配のイールドカーブが維持されている。2年と10年のスプレッドは約45ベーシスポイントで、景気後退懸念が後退する一方、長期債にはタームプレミアムが織り込まれている。製造業購買担当者を対象としたサーベイでは「インフレ懸念はパンデミック時よりも悪化」との声が聞かれ、FRBの金融緩和開始時期を巡る不透明感が燻り続けている(CNBC, 2026年8月3日記事)。こうした環境下、金利敏感セクターの動向には注意が必要であろう。
為替市場では、ドル円は7月30日時点の東京17時で163.74円と、歴史的な円安水準で推移している。7月31日の動きは確認できていないが、前日から大きく変動したとの情報はなく、163円台での膠着が続いたものと推察される。ユーロドルは7月30日時点で1.147。原油(WTI)は7月27日時点で84.25ドルと、年初来でも高値圏にある。報道によれば、米国とイスラエルによるイラン攻撃(2月28日)以降、原油は約20%上昇しており、トランプ大統領が石油メジャーの収益を批判する事態となっている。なお、金価格およびSOX指数は本稿では未確認である。
主要な企業決算では、上述のパランティアやスナップが8月3日に発表されいずれも市場予想を上回り、時間外で急伸した。パランティアの米国商業部門の売上高は前年同期比約150%増と驚異的な伸びを示しており、AI関連需要の強さを裏付けた。スナップも全項目で予想を上回り、広告市場の回復を示唆する内容となっている。これらの結果は7月31日時点では織り込まれておらず、翌週の取引材料として注目を集めそうだ。その他、ボーイングの小型機737マックスがFAAの認証を取得し、航空機セクターに明るい材料となった。
当日の注目イベントとしては、8月初旬に予定されるISM製造業景況指数や雇用統計が意識され、市場参加者の間では景気の強さを見極めたいとの姿勢が強かったと思われる。また、25州がトランプ政権の新たな関税措置を提訴したとの報道(8月3日)は、通商政策リスクを再認識させるもので、日本を含む輸出依存度の高い国々の株式市場にとっては変動要因となり得る。
日本市場への波及経路としては、米国株高は東京市場の追い風となる一方、ドル円が163円台と超円安であることが輸出企業の業績期待を喚起する半面、コスト上昇や国内消費の圧迫要因として徐々に意識される可能性がある。米金利が高止まりしていることは、バリュエーション面で日本株の相対的な割高感を強める方向に働く。半導体関連はSOX指数の動向が鍵を握るが、本稿では未確認のため、投資判断には注意が求められよう。