米国市場概況(7月28日)
主要指数の騰落と背景材料
S&P500は前日比0.21%高の7,428.78と小幅続伸。ダウ工業株30種は1.03%高の52,747.32と大幅高。一方、NASDAQ総合は0.22%安の24,876.91と反落。半導体株指数(SOX)は水準未確認だが、ハイテク株の軟調が目立った。金価格は未確認。
この動きの主因とみられるのは中東地政学リスクの急拡大である。イランが在イラク米軍に弾道ミサイル攻撃を仕掛けたとの報道を受け、トランプ大統領は強硬な対応を明言。ブレント原油は90ドル台を回復し、エネルギー株が買われたことがダウを押し上げた。一方、同日開幕したFOMCを前にハイテク株は持ち高調整の売りに押され、指数の明暗を分けた。アップルが一時史上最高値を更新するなど個別物色はあったものの、セクター間のローテーションが進行した。
米金利
7月29日の米財務省発表によると、2年債利回り4.22%、10年債4.67%、30年債5.20%。イールドカーブは7月初旬からスティープ化傾向にあり、長期ゾーンを中心にインフレ期待の根強さを反映した。翌29日のFOMCでは9対3で政策金利が据え置かれたが、3名の反対票が利上げを主張した。債券市場ではタカ派的な結果を織り込む動きが続いている。
ドル円と商品
ドル円は7月27日時点の東京市場スポット中心相場が163.65円、28日の水準は未確認だが、地政学リスクの高まりでリスクオフの円買いが限定された可能性がある。WTI原油は7月27日時点で84.25ドル、28日はブレント90ドル台と上昇。金価格はデータ未取得。
セクター動向
詳細な騰落率は未確認だが、ダウとNASDAQの乖離から、エネルギーや金融がアウトパフォームし、コミュニケーション・サービス、一般消費財などがレイト・サイクル的な売りに遭ったとみられる。
主要決算
28日の引け後、マイクロソフト、メタ、クアルコムなど大型ハイテク決算が発表された。メタは売上高見通しが市場予想を下回り時間外で約10%急落。マイクロソフトはクラウド好調で上昇。スターバックスは通年見通しを上方修正し株価上昇。翌29日の通常取引に影響が及ぶ公算が大きい。
当日の注目イベント
- FOMC初日(~29日)
- イランによる米軍攻撃とトランプ大統領の脅迫的発言
- コンファレンスボード消費者信頼感指数(7月分、予想99.0)
日本市場への波及経路
ダウ大幅高と原油高は日本株のセンチメントを改善させる一方、円が対ドルで162~163円台と実需レベルで底堅く、輸出採算の追い風は限定的。中東リスクは海運や石油関連に思惑を与えるが、エネルギーコスト上昇は国内企業業績の下押し要因。前日のNASDAQ安は半導体関連の重石。FOMC後の米金利上昇が続けば、日銀への政策修正圧力が強まり円高リスクを帯びる点に留意が必要。